この汚れやシミはカビ!?壁の通気口/換気口/給気口の周りに発生する黒い汚れの正体とカビの見分け方

防カビ業者(一社)防カビ技研のカビ専門サイトをご覧いただきありがとうございます。

今回はお客様から相談がある換気口周りの黒い汚れについて解説しています。注意ポイントがあるので慎重にご覧ください。

本編では換気口と記載しています

換気口、通気口、給気口など様々な呼び名がありますが、本編では「換気口」に統一してお伝えしますのでよろしくお願いします。

カビが繁殖したときの外見は斑点状で放射状に広がる/規則性がない

カビは空気中に小さな胞子の状態で浮遊していて簡単に家の中に入り込みます。

しかし部屋の中に入り込んだとしても十分に乾燥していて風通しがよければ生えません。

部屋のカビは7日間ほど多湿が続く場所を好むので、例えば家具の裏や引き出し、押し入れ・クローゼット、ベッドの裏など、乾燥しにくく風通しが悪いところに胞子が入り込んで数日間乾燥しないと発芽します。

胞子が付着した場所から成長して菌糸を伸ばし、また胞子を飛ばすので、近くで見ると放射状に広がっています。

この放射状に広がったカビが、再び胞子を飛ばして付着するので場所ごと放射状の円が集まります。結果的に遠目で見ると斑点状に見えるのです。

よってカビが生えた場所は上記画像のような状態になります。生き物なので「規則性がない」ことが分かります。

カビの生え方が分かったところで換気口の画像を見てみましょう。

この換気口をよく見ると風が入り込んで壁紙にあたっている部分だけが黒くなっています。カビはこのような規則正しい生え方はできないのでカビではありません。

(照明はカバーの上にネジの穴があり、建物の内部に入り込んだ風が照明カバーから漏れていました)

こちらは外の排気ガス・土埃などの様々な微粒子が壁紙やペンキの多孔質に入り込んで蓄積したので黒い汚れになります。試しに外壁に設置されている換気口へフィルターを付けたところ、三ヶ月間ほどでこのように黒くなりました。

台風、強風、黄砂、花粉、排気ガスなど外気には様々な物質が浮遊していることが分かる画像です。汚れなのでカビ取り剤で取れることもありますが、まずは市販されている洗剤で試したほうがいいでしょう。

この通気口の汚れ以外にも、照明や電化製品の周辺が黒くなる現象があります。専門業者はその自然現象を「電気焼け」と呼んでいます。もちろんカビではないのでカビ取り剤を使っても一切取れません。

外から汚れが入っているのが嫌なので24時間換気扇を止めてもいいですか?

24時間換気扇を止めてしまうと浴室や部屋にカビが生えてしまうのでなるべく止めないでください。どうしても止めたい場合(または換気扇が付いていない)は日中などに窓を2個所開けて十分な換気をお願いします。

2003年7月に施工された建築基準法(シックハウス対策)では部屋の大きさによって空気を入れ替える時間と量が決まっています。24時間換気扇が設置されているということは、その部屋の空気を入れ替える方法を換気扇に頼っているということです。

現在はシックハウス症候群に該当する物質を含有するものはかなり減りましたがカビは昔も今もたくさんいます。カビ対策で大切なことは「生やさないこと」なので日々の換気を心がけてください。